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蛙の末裔の妄創手帖

ポリシーは「ものに優しく」。
人畜無害で善良な変質者を目指します。
って、なにそれ?

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2025/04/20(Sun)15:10

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aluminium alumni

2011/07/19(Tue)01:29

 ABUロボコン国内予選のテレビ放映を拝見しました。
 ロイ・クラトン(成功すれば勝利するパフォーマンス)を達成したチームのアイデアを判り易く解説していたり、ロボット同士の連携に関する考え方を紹介していたりと、比較的充実した内容だった様に思います。ABU本大会も、この感覚で放送してくれると嬉しいですが……期待し過ぎは良くないでしょうか。
 高専ロボコンでもそうなんですが、地区大会枠の番組の方がちゃんとロボットコンテストを放送してくれるような気がしてしまうんですよね。勿論、個人の嗜好の問題ではありますが。

 ところで、今日番組を見ていて、そう言えばと思った事に、アルミ製のフレームの肉抜きがあります。私の場合、ロボコンの記憶(ビデオの所蔵があるという意味で)は高専、大学(今のIDC)共に91年からなのですが、その昔はやたらめったら穴をあけまくる時代というのがありました。特に高専ロボコンでは長大なアームが威力を発揮する作業系のルールが何度かあったこともあって、穴あけによる肉抜きはロボコンの風物詩になっていました。

 ですが、高専入学後に諸先輩方から伺った事には、「アルミの肉抜きはするな」。曰く、穴一つで1グラムにも満たない軽量化は非効率である、ということでした。
 ちなみに、こんな記事を読まれる方は大抵御自分で経験済みであるか、あるいは容易に想像出来る方でしょうが、一円玉サイズの穴というのは手作業であけようとするととても面倒くさいのです。あの太さのドリルは材料にいきなり突き立てても掘れません。小さい穴から順番にあけていって、何ステップ目かで漸く穴の大きさが直径10mmに達する、そういうレベルの作業なわけです。ですから、経験者は口を揃えて効率が悪いとおっしゃるのですね。

 とはいえ、実際はどうであったかと言えば、高専でもバカスカ穴はあけていました(※私が関わったことのある、とある年度の話です)。結局のところ、重量的に厳しいとなれば部品を外すか、肉抜きをするかしか選択肢が無かったからです。作業自体は1年生にも任せられる簡単なものなので、人海戦術が使えたというのも大きかったでしょう。

 その後大学に行って、また同じ話になりました。まぁ、そりゃ当然と言えば当然で、やはり穴あけは最終手段だったのです。高専と違ったのは、そこで実際に穴をあけなかったところ。別に穴をあけずとも、別の削り方で肉抜きは可能だったのです。あ、一応申し上げておきますが、高専でも肉抜きが穴あけだけだったわけではありませんよ。

 そこで今日。例によってうちの大学のロボットは穴あけによる肉抜きはしていなかったのですが、画面に映る他大学のロボットを見ていると結構穴あけで肉抜きしてあったんですね。ちょっと意外でした。しかも、完成度の高い機体にもそういうものが見られたのです。(当然ですが、穴あけの無い良いロボットも沢山ありました。)
 そういうわけで、かつて問答無用で穴あけをしまくっていた頃とはどうも違うようだぞ、というのが今日の感想です。穴あけが非効率であることが判っているのですから(作業の話。強度的には決してバランスは悪く無いと思います。)、それでもなお穴あけを決断出来るのは、これは精神的な機動力に優れているということなのでしょう。少なくとも、まず手を動かすことの出来る人or組織だ、ということは判ります。

 まず手を動かすか、それともじっくり考えて効率化を図るか、というのはロボコンをやっている人達の永遠のテーマの一つですが、高専と大学のNHKロボコンに限ると、どうも過去20年程は手を動かす方に分が有ったような気がしますね。ひょっとしたら、手を動かせる人の方が思考停止にも陥りにくいのかもしれません。
 あぁ、耳が痛い。

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No.396|ロボコン観戦Comment(0)Trackback()

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