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蛙の末裔の妄創手帖

ポリシーは「ものに優しく」。
人畜無害で善良な変質者を目指します。
って、なにそれ?

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2025/10/13(Mon)22:57

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暑い国から帰ったダーウィン

2011/07/02(Sat)02:31

 7月10日の「ダーウィンが来た!」は羽で音を出すキガタヒメマイコドリです。って、これは今日教えていただいたのでした。

 なぜ突然こんなことを言い出したかというと、この番組には私もほんの少し、かする程度に関わっているからなんですね。といっても私は機器のオペレーションだけですし、そこで得た情報(これが役に立つかどうかも不明)は番組に殆ど関係ありませんけれど。

 とりあえず、どんな内容を放送するのかは見てみないとなんとも言えません。


 それにしても機器の操作では、折角頼まれたにも関わらず我が無能を露呈した感じになってしまいました。作業の見込みが甘くて予定時間をオーバーしたり(いつもそうですよね)、結果の不具合を即座に見抜けなかったり、条件を設定し忘れたまま調整したり……。足かけ3年以上世話になっている機器でこの体たらくですから、情けない話です。最近は改善されてきたと思ってたんだけどなぁ。
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掌の星

2011/06/29(Wed)03:55

 研究室のM2さんと話していて、俄にヒトデ熱を発症しました。実は以前にも「ヒトデ、いいっ!」という衝動に駆られた事がありまして、それがぶり返してきたわけですね。

 恥ずかしながら、ヒトデという名前が”人手”の読みから生じたわけではない(らしい)ことを先ほど初めて知りました。この文献によると、本草綱目の一部に引用されている、臨海水土記という書物における”陽遂足”が明らかにヒトデであるそうです。成程、百足をムカデと読みますもんね。実際に、陽遂足で検索すると、中国語の記事が沢山ヒットしました。

 先の文献を書かれた先生は、別の箇所で

一方、「ヒトデ」は、5本の腕を指と見て「人手」。後発のようだが、わかりやすく覚えやすいので広まったのだろう。

と書かれていますが、これは最初に陽遂足につけた読みが(たまたま?)人手と同じであったことに端を発するものだと考えられます。

 更に、上の文献によれば、ヒトデの古名には海燕、タコノマクラ(今では別の棘皮動物の名前になっている)、海紅葉、紅葉貝(今ではヒトデの一部の名前になっている)などが使われていたそうです。面白い。

 また、ここで興味深かったことの一つに、これら漢字文化圏の古い名前の中に、星とその光彩の形をイメージしたものが極端に少ないというのがあります。英語ならstarfishかsea star。ドイツ語でもフランス語でもスペイン語でもイタリア語でもラテン語でも(語源が一緒なんじゃないかというツッコミはありますが)皆、星を意味しているにもかかわらず、この東アジア近辺では太陽か、紅葉か、手かという状況なんですね。ちなみに海盤車もヒトデですが、これも星とは違う連想の産物です。
 んー、これは漢字文化圏に五芒星を重視する文化が無かったということなのでしょうか。一応、wikipediaによると安倍清明の印は五芒星だそうなので五芒星の存在を知らなかったわけではないでしょうけれど。

 そして今、ホウキボシなんて名前のヒトデがいることを思うと、「ヒトデ型」の解釈は場所と時間で異なっていくのねぇと感じる次第です。

 ちなみにニチリンヒトデみたいな形のヒトデは英語ではsunflowerとかsunstarと呼ばれるそうなので、ここには共通の認識があるみたいですね。

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飛んで灯に入る虫のワケ

2011/06/25(Sat)01:38

 飛んで灯に入る夏の虫。
 では、人間が灯りを手にする以前、虫たちは何を目指したのでしょうか。
 ひょっとしたら、彼らは月を目指したのかもしれません。あるいは、星に向かったのかも。はじめ羽根を持っていなかった虫が、進化とともに空を飛ぶ能力を身につけたのは、宇宙に行くというスペースシャトルのような目的のためだったりして……


 まぁ、間違いなく間違いでしょうが、そういうことを考えていると楽しいです。

 大学が冷房の原則不使用という迷惑なスローガンを打ち出しているせいで、研究室では窓を全開にして暑さをしのいでいます。いやまぁ、夏は暑くてなんぼ、冬は寒くてなんぼですから、そもそも冷房は控えるべきものだとは思いますし、扇風機でも今はなんとかなっていますが。

 しかし、問題は夜です。例によって窓を全開にしているわけですが、そうすると虫が入り放題なんですね。それでなくても昼間からSサイズ、SSサイズの蝿を鬱陶しがっているのに、夜になると蚊と言わず蛾と言わず灯火採集の要領で入ってくるので大変です。
 黄金虫程度なら運が良ければ摘まみ出せますが、それより小さいといちいち捕まえていられません。走光性のせいなのは判っていますから部屋の明かりを消せば……とも一瞬思いますが、そんなことをすれば研究にならないうえ、下手にディスプレイを点けでもすればお互いにとって悲劇になります。つまり、彼らは入室こそすれ、退室はしない。そのくせ一丁前に蛍光灯にぶつかって大きな羽音を立てたり、螺旋状に飛んで目の前を横切ったりするのですから鬱陶しいことこの上ありません。
 ほんと、夜中に落ち着いて研究ができないのは死活問題なわけです。

 ちなみにこれでも研究室は5階にあるのですから、最早地上付近の階の惨状は推して知るべし。

 なので、研究室の窓に網戸を導入したいと思います。別に業者を入れなくても、市販品を買ってこなくても、とにかく目の細かい網が張ってあれば良いので、割と簡単に作れるでしょう。お互いに不幸にならないための必須アイテム、作りますよ。

No.392|バイオ研もろもろComment(2)Trackback()

人間力0

2011/06/12(Sun)02:48

 金曜日にとあるイベントに伺ったところ、自分の研究と目的がほぼ同じ、アプローチも共通点の多い研究がありました。お話も聞かせていただくことができましたが、かなり活発にやられている模様でした。
 こりゃ、頑張らないと圧倒されちゃうよ。

 教授に話してみると、「でもあちらの研究室は○○は使ってないんでしょ」などと呑気な事をおっしゃっていましたが、やっていれば遅かれ早かれその○○というアプローチに至るでしょうから、悠長なことも言っていられないんじゃないかと思うのですね。それでなくてもうちは食品分野についてまったくの素人だというのに。食品工学会の存在も、3年前から折に触れて伝えてきたにも関わらず、「そんなのがあるの?」ですからね。
 まずいよなぁ。

 それとやはり、マンパワーの差というのがよろしくありません。何しろ向こう様は研究室全体で取り組まれているのに対して、こちらは蛙一匹。これが理論系だとか、ロボット作るとかであればまだ比べようがありますが、実験して調べるというのが入ってくるとどうやったって手が足るかどうかが成果の質・量を左右するでしょう。
 だからあれだ。先生、人出が欲しいです!

 と、言ってみても次の人員割り振りは来年の四月なんですね。確か、今年の4年生のテーマ候補の中に食感の研究も入っていたのですが、外部との共同研究にどうしても人を回さなければいけないせいでオミットされてしまったのでした。もう手遅れかもしれませんが、今度の人事では+1人の枠を設けて貰えるよう頑張りますよ。

 下手に人手が足りないアピールをすると、人員リソース的に難しいと思われて却って取り潰される可能性もあるので、うまく立ち回らないといけないのですが。

No.390|バイオ研もろもろComment(0)Trackback()

誤解する記述、誤解させない技術

2011/06/08(Wed)02:09

 あー。大学の情報センター(東工大 学術国際情報センター)が配布しているANSYS Workbenchでは流体の解析しか出来ないのだそうです。てっきり構造解析も含めた各種連成解析が出来るものだと思っていました。だって、ANSYS Workbenchって言われたら統合的な解析環境だと思うじゃないですか。まさかだたの流体解析用プリポストプロセッサとしてしか役に立たないなんて……。”なんか色々できるっぽいです”と研究室で吹聴していた過去の自分に伝えたい。

 ただ、自慰的で難ですが、この辺の記述だけを見たらフル機能で使えるものと誤解しても仕方ない気もします。そもそもWorkbenchというソフトウェア自体が、各種解析を統合して扱える事を謳ったものなんですから。加えて、GSIC(学術国際情報センター)が公開している流体解析モジュールの利用の手引には、以下のように書いてあったりします。
~~~~~~

1.2概要
ANSYS FLUENTでは連成解法および分離解法のアルゴリズムを用いて,非構造格子で離散化した質量,運動量,熱,化学種に関する支配方程式を解きます.豊富な物理モデルを搭載しており,高度なカスタマイズも可能です.

TSUBAMEおよび学内配布しているANSYSでは次のURL中の「ANSYS Academic Research CFD」「ANSYS Academic Research HPC」の機能が利用可能となっています.

~~~~~~

ANSYS Academic Research HPCというのはANSYSの各種解析をほぼフル機能で使えるので、例によってちゃんと疑ってかからないと、なんでも出来るものと思ってしまうでしょう。同じように、FLUENTしか使えないANSYSをANSYSと呼んで良いものかどうか、ちょっと考えたくなってしまいます。
 もっと言い訳すると、大学のスパコンで使えるアプリケーションに流体構造連成解析が扱えるソフトウェアがANSYSしかないのです。そんな事情もあって、「世界最高峰の理工系総合大学」を目指している大学なら流体構造連成を計算できるソフトくらい持っててもおかしくないよね、と私は甘く考えてしまったのでした。


 しかし……M2さんにも助教さんにも、”ANSYS使えそうですよ!”と言っちゃったし、それ用のモデル作りなんかにも取り組んだんですけどねぇ。戦略を練りなおさなければいけなくなってしまいました。

 全学で10個しかライセンスがないNastran。エラーメッセージが簡潔過ぎて解決の足しにならないABAQUS。対して、ビデオのオンラインチュートリアルまであるANSYS。目の前にぶら下がっているはずだった人参が魅力的だっただけに、誤解していた自分と、誤解を招くような資料とに腹が立ちます。
 自業自得と言われれば、まさにその通りなんですが。

No.389|バイオ研もろもろComment(0)Trackback()