もし冬の時代が来てしまったとしたら、再び繁栄することはなさそうですが。
愛用している二次元CADの図脳sketchが販売終了となっていたことを今日知りました。あ、あ、あ……。同じ価格帯の後継CADは出ていないようで、選択肢は上位機種のRAPIDしかありません。図脳RAPIDの価格がそれだけ下がったかというとそうでもないですし、厳しいところです。せっかく低価格帯の三次元CADを出しているのですから、価格帯も含めて差別化することを考えたらsketchは悪くなかったと思うのですが。
そんなわけで、二次元CADを新調しようと考えたらいやでもRAPIDか、あるいは他社のCADを検討しなくてはならないわけですね。ネット上でもたまに目にしますが、やはり使い慣れたCADが消えてしまうというのは痛い。
もちろん、今すぐCADを新調しようとは思っていないのでしばらくは現状維持ですが、いずれ決断しなければいけないのでしょう。
私の場合、最初に習ったのがAutocadLT2000、身の回りのPCに入れて使い始めたのがフリーのDJstandard、そして大学に編入してから図脳sketch、とこんな遍歴で生きてきました。この間、フリーでHO-CAD、AR-CAD、鍋CAD、MYCAD2D、JWW、有償で(大学のPCに入っていた)CADSUPERFXなんかを触りましたが、どうも私の主観は補助線重視の作図を好む様子。これは、紙の上で試行錯誤する感覚が好き、ということなんでしょうか。
ただ、そこで厄介なのは、補助線関連の機能に秀でたCADが少ないこと。ぬるいユーザーなのでマウスでアイコンをクリックする作業を多用するのですが、補助線に関してそれが充実しているCADは少ないのです。
この点では、今日体験版を使ってみたTurbosketchは悪くなかったんですが、このCADは補助線を含む各種コマンドの階層がちょっと深いんですよね。機能が多いからか、整理しきれていないのか、いろいろな操作でキーやボタンを想定より一回以上多く押すような気がします。あと、描画されたオブジェクトを選択するときの表示がちょっと大げさかなぁ。
また、DraftSightはフリーとは思えないほど垢抜けた素晴らしいデザインで構成もAutocadに近いですが、そもそも自分自身はAutocad系から移行してきたわけですから、戻るには心の壁を越えなければなりません。
まだしばらく、迷走は続きそうです。
それにしても、DraftSightだとかSolidEdge2D(まだ触ったことがないですが)だとか、世界的な大手CADベンダーにフリーでこんなのを出されたら中小のローカルベンダーはやっていけませんよね。恵まれた時代には違いないでしょうが、同時に産業として衰退していく途上にあるようにもみえて少し不安になります。いずれは二次元CADが金にならなくなり、機能や利便性の追求が止まってしまう、などという、二次元CAD冬の時代が来ないとも限らないわけですから。
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