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蛙の末裔の妄創手帖

ポリシーは「ものに優しく」。
人畜無害で善良な変質者を目指します。
って、なにそれ?

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2025/02/02(Sun)12:13

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旨み付き残差法

2016/08/28(Sun)10:58

 山口県宇部市に学会で行ってきました。会場は山口大学工学部で、期間は4日間。初日の昼前に着いて、最後まで聴講してきました。三日目には自分の発表も。

 それにしても、福岡から宇部というのは鉄道では行きにくいと実感しました。
 宇部線の本数が少なすぎるせいで、新幹線で博多から厚狭や新山口まで行ってもその場で長時間待たねばなりません。結果として、本州を在来線で辿っても所要時間は同じ、あるいは早く着くという有様でした。
 私が調べた時間帯も、新幹線に乗るべきは博多-小倉間のみで、その先は在来線を2回乗り継いで目的地(宇部新川)だとか。閉口しつつもそれで行きましたが、初日からいやに疲れました。

 そして宇部線。ローカル線なのはわかっていましたが、それでも呉線くらいの規模を想像していました。……甘かった。
 宇部駅で乗り換えたら車両は1両、車内に料金箱があるというもので(※2両編成もあるようです)、超満員でした。同業の学会参加者なんて3、4人でしたから、我々のせいとも思えません。

 加えて、旅館やビジネスホテルはどこも一杯。全館満室というよりはネット予約に振り向けた分が満員ということだったのでしょうが、宿をとるのにも苦労しました。学生たちはキャンセル待ちで直前に宿を見つけ、私はなんとか郊外のココランド山口宇部(旧厚生年金休暇センター・ウェルサンピア宇部)に部屋を取れたという具合です。
 去年には地元の老舗ホテルが営業を停止したそうで、そのあたりも街全体のキャパシティ不足に響いていたのかもしれません。


 同じ石炭の街ながら大牟田と違って人の多い宇部でしたが、いかんせん市外との人のやりとりには向いていません。宇部市はコンベンションを町おこしの柱に位置付けているようですが、ココランドのような郊外施設で運動部の合宿を開くといった案件を除けば、ちょっと了見違いでしょう。

 デパートも遊園地も動物園もあって、内向きには優れている街だと思うんですけどね。

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No.593|バイオ研もろもろComment(2)Trackback

多士再々提出

2016/05/27(Fri)23:24

 学生時代から、同分野、異分野を問わず専門家同士の話を横から聞くのが好きでした。

 無論自分が入って良い場であれば参加も試みますが、そうではなくて、単に鑑賞するというだけでも興味深いものがあります。自分が関わらなければ我田引水のしようがなく、純粋に他人(しかも詳しい人達)の考え方を聴けるからではないか、と自分では思っています。


 同じ理由で、昔の論文、それも講演原稿を論文化したものの末尾も読むようになりました。講演原稿を論文化したものですと、末尾に質疑応答が載っていることが多いのです。

 大体戦前の機械、造船、化学などの論文ですが、同じ分野で同じ年代の場合、ある人がときには発表者、ときには質問者、ときには座長となっていて、発言のたびに人となりが偲ばれるような気がします。
 しかも、当時の講演会でのディスカッションは名のある教授、技師らの応酬ですから手ぬるくはありません。その分野の第一人者と言える教授や海軍の造船中将などが出てきて自身の経験に照らした質問をし、発表者も細かな数字まで挙げて答え切る。この流れは迫力満点です。いやもう、自分が訊かれる側だったらここまで詳細に(しかも咄嗟に)回答できないかも、と思わされるものも多くて、身につまされると言うか薄ら寒くなると言うか。
 逆に言えば、それくらいの質問が来るものと思って準備しなければいけないというわけで、仕事上の参考にもなっているかもしれません。


 それに比べると当たり障りのないのが学会企画の座談会の記録ですね。
 とはいえ、質疑応答と違って発言が長いぶんだけ発言者の性格が想像しやすく、これはこれでとても面白いです。中には尋ねられていないことを力説し出す人がいたりして、その理系らしいバランスの悪さには親近感を覚えざるをえません。いつの時代でも研究者ってのはこういうものなのかな、と。


 ……いや、我ながら失礼な趣味だとは思います。はい。

No.591|バイオ研もろもろComment(0)Trackback

Cockatriceで鳥丼

2016/04/02(Sat)22:26

今更な話題ですが、Surface Proシリーズ(無印、2、3)のリコールに参加しました。

 使っているのはSurface Pro2でして、web経由で手続き完了。幸いトラブルはありませんでした。
 そして本日(手続きをするのが遅かったのです)、その代替品が無事到着。


 左がリコール対象の純正ケーブル、右がリコールで到着した代替品です。
 いやまた普通のめがねケーブルになりましたね。プラグ部分だけなら20年前の炊飯器と区別がつきません。緊急ゆえ、プライドは捨てざるをえなかったということか……。


 純正品はカッコつけたために材力的な問題を抱えてしまったらしいのですが、さて、こういう事例に遭遇して「それみたことか」と鬼の首を獲ったように言うのも少々ためらわれます。

 メーカーが意匠に凝るのは悪いことではないですし、デザイナー(設計者)の意図を実現しようとする挑戦は重要です。右側のプラグよりも、もっと良いものがあるはずだと信じてこれからもデザインしていただきたいと思います。

 ですが、「もっと良いもの」は既存のものに劣ってちゃだめなわけですよね。優れた意匠を与えたかったのなら、既存品と最低でも同じ機能・性能を与えなくてはいけません。ケーブルの線材に負荷がかかる、なんて意匠設計の前、というよりケーブルのデザインなら基本設計で押さえる事柄じゃないですか。

 Microsoftのハードウェア部門(主に入力機器)の開発姿勢は前衛的な部分と保守的な部分のバランスがとれていて個人的に好きだっただけに、今回の件には少々幻滅でした。Microsoftほどの企業に材料力学の初歩みたいな問題でつまづかれては困ります。……まぁ、この手のトラブルの大半は初歩的な誤りに行きつくのかもしれませんが。

No.590|バイオ研もろもろComment(0)Trackback

昔は都会だった伊都

2016/02/12(Fri)23:07

九大生が送る!「本当に使える」九州大学グルメまとめ

というまとめがあることを最近知りました。
 この内容が九大伊都キャンパスの立地を実によく表しているので、リンクを張っておきます。


 大学グルメ、と言えばつい大学町にある大衆飲食店を想像してしまいますよね。そう思っていた時期が私にもありました。

 だがしかし。
 確かに大学の正門前には九大新町なる住所がありますが、ここは近隣の相場より家賃の高いアパートが建つばかりで、飲食娯楽の類はまだまだこれから。

 驚くべきはスーパーマーケットさえないことで、生鮮食料品は”街”まで買い出しに行かなければなりません。救いはホームセンターがあることですが、いかに九州大学とはいえ、資材より食材が欲しいという人の方が多いでしょう。

 昨日のような祝日には生協の売店しか開いておらず、時期柄学生が多いこともあって弁当はすぐ売れてしまいます。こうなると兵糧攻めで、外に打って出ないと食事もできない。
 では外とはどこか、というのが上のまとめなわけです。
 

 いやすごいですよ。
 まとめられて日が浅いとはいえ6件しか載っていないうえに、半分は正門から自転車で15分以上。しかも我々のいる工学部からは、その正門に行くにも徒歩でゆうに10分はかかる。
 無論、まとめが悪いのではなく立地が悪いのです。


 と、文句ばかり並べましたが、決して悪いところばかりではありません。
 街の喧騒は皆無ですし、緑が多いので癒されます。特に後者の恩恵は自分が意識している以上にあるのでは、と最近思うようになりました。

 ……でもやっぱり、もう少し便利になってほしいかな。

No.589|バイオ研もろもろComment(0)Trackback

素敵な飛行船気球号

2016/02/06(Sat)21:19

年度末ですね。
 学生にとって修羅場なら、そのおすそ分けをいただいている教員が忙しくならないはずがなく、一日があっという間に過ぎていきます。

 ことに、修論・卒論を読む業務(読んで文章を直す業務)では、違う内容の文章がとっかえひっかえ脳内を占領するので頭が熱くなります。学生室に文章術の参考書を置き始めたこともあって、こちらが試されているような気分になってきました。……良いことなんですが。


 自分自身でも年明けから”文章術本読みたい熱”が出ていて、先日ネットの古書店でまとめ買いをしました。
 もちろん鍛えるべきは理系の文章術なのですが、買ったのはその周辺領域の参考書です(※)。小説の書き方、ライトノベルの書き方、アダルトゲームのシナリオの書き方、ボーイズラブ小説の書き方などなど。

 まだ全部は読んでいませんが、これは楽しいですね。
 どのジャンルにおいても、良しとされる文章には一脈、どころかかなり相通じるものがあるようです。よく「論文の書き方は小説の書き方とは違う」と言われますが、こと文章の形式面に限れば、上手い説明文を書ける人と上手い描写ができる人は相当に重なることでしょう。文章がわかりやすいことは、どこでも大事に違いありません。ぜひとも、健全な言語感覚を培っておきたいものです。


 そんな話を学生としていたら、
「蛙先生はどこへ行くんすか」
と言われました。
 いやあんさん、ラノベの書き方の本を読んだってラノベが書けるわけじゃないし、エロゲーのシナリオが書けるわけじゃないし、BL小説が書けるわけじゃないからね?


※理系の文章術に関する本もこれまでに4、5冊は読んでます。外堀ばかり埋めているわけじゃないと信じてほしいです。

No.588|バイオ研もろもろComment(0)Trackback