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蛙の末裔の妄創手帖

ポリシーは「ものに優しく」。
人畜無害で善良な変質者を目指します。
って、なにそれ?

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2024/05/15(Wed)14:25

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さわやか砥石

2014/08/08(Fri)23:43

 突然、かつ今更な話ですが、オフィスチェアにおけるドイツメーカーの雄(@日本)、Wilkhahnの製品群からSolisが無くなってしまったようです。

 ウィルクハーンジャパンのサイトに見当たらなかったので問い合わせてみたところ、2014年1月をもってドイツ本国でのカタログ掲載が終了、日本においても2014年限りで販売終了になるとのことでした。ちなみに、Wilkhahnの他の椅子、ON、Neos、Modus、FS-Lineは存命です。



 いやー、しかしSolisディスコンですか。長年日本国内でWilkhahnブランドの知名度を支えた椅子でしょうし、無駄の無いデザイン(いわゆる「しゅっとした」というやつ)で、高級オフィスチェアの方向性の一つを提示してくれていたと思うのですが……残念です。

 正直言って、ネット上での知名度や話題性から、SolisよりもNeosが先に消えるんじゃないかと予想していたのですが、Neosはしれっと生き残りましたね。そして何より、1994年発売1994年発表のModusと1981年発売1980年発表のFS-Lineより先にSolisを切ったというのが圧巻です。恐るべきはWilkhahnの製品寿命(と開発期間)の長さよ。
※後日調べなおしたところ、発売の年がはっきりしませんでした。そのため年号を発表の年に訂正しました。(9/9追記)
 
 
 まぁModusとFS-Lineは固定ファンが付いているから良いとして、これからのWilkhahnはONとNeos(とModus)を売り込んでいく流れになりそうですが、それはそれで心配なマーケティング姿勢ではあります。というのも、従来のWilkhahnのラインナップにおいて最も調整機能が多かったのがSolisだったからです(※)。
※調整機能が多いというより、細かく調整できるという方が適切ですね。申し訳ありません。(8/9追記)

 例えば、リクライニングの角度固定機能に着目すれば、Neosはわずか3段階、ModusとFS-Line、そして最新作のONに至ってはアップライト姿勢でしか固定できません。対してSolisは11段階です。この持ち駒を捨ててしまったのは素人目には痛いように見えるのですが、おそらく別の考え方があるのでしょう。


 ちなみに、ONは調整機能の多さよりも3次元的に体の動きについてくる機構(Wilkhahn曰くの「トリメンション」という機構)を売りにしているので、固定機能に優れたSolisとは方向性が真逆だというものでもあります。
 と言いますか、Solisが消えた現行のラインナップは、リクライニングを実質的にロックせずに、使用者の微妙な体の動きを促そうという考え方で一貫しているように見えますね。

”この問題を解決するため、ウィルクハーンが提唱したのが"dynamic sitting"です。”
ウィルクハーンジャパンWEBサイト、FS-Lineのページより引用)

 この謳い文句は1981年に世に出たFS-Lineのものですが、これを見る限りでは、Wilkhahnは30年前に抱いた大志に回帰したと言えそうです。

 幸い、最近の座りの科学では、姿勢を長時間固定してしまうのが特に体に悪い、という考え方が主流になりつつあるようですので、Wilkhahnとしては「時代が俺に追いついた」という感覚なのかもしれません。

 なお、Wilkhahn製品は所有した経験がありませんが、試座での印象やデザイン(=設計)哲学についてはとても好ましく思っています。個人的に応援しているメーカーですので、今後も注目していきたいと思います。


 これでSolisの後継機種が出たりしたら胸熱な展開なんだけどなぁ。

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No.558|オフィスチェア的変態Comment(0)Trackback

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