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蛙の末裔の妄創手帖

ポリシーは「ものに優しく」。
人畜無害で善良な変質者を目指します。
って、なにそれ?

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2025/01/22(Wed)23:03

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誤解する記述、誤解させない技術

2011/06/08(Wed)02:09

 あー。大学の情報センター(東工大 学術国際情報センター)が配布しているANSYS Workbenchでは流体の解析しか出来ないのだそうです。てっきり構造解析も含めた各種連成解析が出来るものだと思っていました。だって、ANSYS Workbenchって言われたら統合的な解析環境だと思うじゃないですか。まさかだたの流体解析用プリポストプロセッサとしてしか役に立たないなんて……。”なんか色々できるっぽいです”と研究室で吹聴していた過去の自分に伝えたい。

 ただ、自慰的で難ですが、この辺の記述だけを見たらフル機能で使えるものと誤解しても仕方ない気もします。そもそもWorkbenchというソフトウェア自体が、各種解析を統合して扱える事を謳ったものなんですから。加えて、GSIC(学術国際情報センター)が公開している流体解析モジュールの利用の手引には、以下のように書いてあったりします。
~~~~~~

1.2概要
ANSYS FLUENTでは連成解法および分離解法のアルゴリズムを用いて,非構造格子で離散化した質量,運動量,熱,化学種に関する支配方程式を解きます.豊富な物理モデルを搭載しており,高度なカスタマイズも可能です.

TSUBAMEおよび学内配布しているANSYSでは次のURL中の「ANSYS Academic Research CFD」「ANSYS Academic Research HPC」の機能が利用可能となっています.

~~~~~~

ANSYS Academic Research HPCというのはANSYSの各種解析をほぼフル機能で使えるので、例によってちゃんと疑ってかからないと、なんでも出来るものと思ってしまうでしょう。同じように、FLUENTしか使えないANSYSをANSYSと呼んで良いものかどうか、ちょっと考えたくなってしまいます。
 もっと言い訳すると、大学のスパコンで使えるアプリケーションに流体構造連成解析が扱えるソフトウェアがANSYSしかないのです。そんな事情もあって、「世界最高峰の理工系総合大学」を目指している大学なら流体構造連成を計算できるソフトくらい持っててもおかしくないよね、と私は甘く考えてしまったのでした。


 しかし……M2さんにも助教さんにも、”ANSYS使えそうですよ!”と言っちゃったし、それ用のモデル作りなんかにも取り組んだんですけどねぇ。戦略を練りなおさなければいけなくなってしまいました。

 全学で10個しかライセンスがないNastran。エラーメッセージが簡潔過ぎて解決の足しにならないABAQUS。対して、ビデオのオンラインチュートリアルまであるANSYS。目の前にぶら下がっているはずだった人参が魅力的だっただけに、誤解していた自分と、誤解を招くような資料とに腹が立ちます。
 自業自得と言われれば、まさにその通りなんですが。
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No.389|バイオ研もろもろComment(0)Trackback()

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