このブログ、毎回のタイトルは著者のおやじギャグのトレーニングなので気にしないでください。
タイトルはともかく、ABUロボコンの世界大会に行ってきました。
ロボコンの応援っていうのはホントいいですね。あーいや、一番いいのは自分でロボットを作って競技することなんですが、そのおすそ分けを貰えるというか。
例によって長くなるのであとは続きにて。
この大会には、日本代表として東大と母校東工大が出場しました。ので、今は別の大学に奉職している身ながら、今日だけはこの2チームを全力で応援してきたわけですね。
結果から書くと東工大Maquinistaはベスト4、東大Robotechは(不調に悩まされたらしく)ベスト8でした。
優勝はベトナムのラクホン大学で準優勝はマレーシア工科大学、もう一方のベスト4がタイのタートゥーム社会教育産業カレッジでした。
決勝に残った2チームは投擲の精度が高く、かつ打ち合いで負けない連射性能を備えていて一歩抜けていた印象があります。東工大は後者が優秀でしたが、前者に関しては「このあたりに飛ぶはず」という、いわゆる散布界が若干大きかったように見えました。
などと評論してしまうのはロボコンオタクの悪い癖。本当に楽しませてもらいましたし、力は出し尽くしてくれたと思います。東工大はラクホン大に34秒で天晴れ(パーフェクトによる無条件勝利)をされてしまったのですが、これは相手を称えたいです。
ラクホン大のロボットには打ち出し機構が2つ横並びで付いているのですが、この2つで同時に相手側スポットを狙う様子は素晴らしい迫力でした。ほぼ対称な軌道で2枚飛んできて、どっちもスポットに当たりますし、載りますからね彼らは。
ベスト4のもう1チーム、タイチームはかなりシンプルなロボットで、操縦者の凄腕と合わせて勝ち上がってきた印象を受けました。準決勝ではスタートで出遅れたマレーシア工科大をあと一歩まで追い詰めたのですが、同時天晴れというきわどい判定を受けて再試合となり、相手の地力に屈してしまいました。
この試合を含め、ディスクがスポットに静止した瞬間をいつとみるのか、というのが今年のルールの課題だったと思います。
スポットに触れたときではなく静止したとき(審判の判断で)というココロは良いのです。が、相手がスポットから落とすとか、自分が後から打ったディスクで落とすとかしてしまうといつ静止したことになるのか……。審判も悩んだはずです。ビデオ判定をするのか否か、という点でもですね。
そもそも、静止とみなすまでの時間の長さは戦術選びにも影響します。
この点では、中国の東北大学は悔しかったでしょう。ここのロボットは手前のスポットにある相手ディスクを自動で打ち落としながら別の打ち出し機構で攻める攻防一体型でした。が、自動打ち落としの直前に得点が成立してしまい、東工大とカンボジア国立ポリテク大学に天晴れを許してしまうという展開に。
ロボット自体は得点力にも優れ、得点用のディスクは自動で装填する(ラクホン大も自動装填)など完成度の高いものでした。
惜しむらくは対カンボジア国立ポリテク大戦の終盤で防御に徹してしまったことで、天晴れを取りに行っていればあるいは、というところでした。遠いサイドだったのでよく見えませんでしたが、弾切れだったのでしょうか。
また、このチームが技術賞を受賞しました。最近の中国チームは技術的努力がここ一番で報われず、可哀そうというか歯がゆいというか、そんな思いもあります(が、純粋に対戦相手として見れば、あんまり本気を出さないでほしいと思うもの。)次回はどんなロボットで来るか、期待しています。
デザイン賞の香港科技大学は東北大学よりさらに防御よりのロボットで、黒く引き締まった機体が格好良かったです。予選2試合目では19枚ものディスクを中央スポットに載せていました。っていうか、19枚も載るものなんですね。あとこのチーム、多国籍チームだそうで、とても楽しそうでした。
アイデア賞は初出場ながら天晴れを達成したカンボジア国立ポリテク大学。スピードはありませんでしたが、投擲の再現性に優れていました。丁寧に作られ、丁寧に調整されたのだと思います。着実にディスクを載せていく様子には興奮しました。
惜しかったのは東大で、ここはセンサーまわり(キネクトだそうです)がうまく働かず、手動操縦を余儀なくされていました。本領を発揮したRobotechが見たかった……。
それと個人的プッシュのネパール・トリブバン大学。今年はNHKもフォーカスして取材していたようですが、私は2002年の第1回大会以来のファンですからね(だから何だ、ですけど。)
今年はパラレルリンクを使って打ち出し機構を丸ごと上下、傾斜させるロボットで会場を沸かせてくれました。相変わらず一挙手一投足に味があります。
パラレルリンクは韓国のハニャン大学も打ち出し機構の位置決めに使っていたようなのですが、こちらはかなり苦戦していました。どう動くのか見たかったのですが。
あとこれは自分の反省も含めて書き残すことなのですが、1枚のローラーの周りを這わせて打ち出す形式が多く、かつそれで成功していましたね。マレーシア工科大学がその好例で、中央に陣取った状態から打ち出し機構の向きを変えながら得点していくところは小気味よかったです。
とまあ、こうやって観てきた興奮のままに書き殴り、後で恥ずかしくなるところまでがお約束。でも最高でした。競技者の皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。
最後に、今日会った東工大OB(研究室の後輩でもあります)から「学生時代と比べて、急激にお年を召されたような気がするのですが……!」というセリフをいただいたことについて。
ほんと、ここ1年で急激に前髪が薄くなった気がするのです。もともと雰囲気で老けて見られがち(28のときに生保の方から34くらいに見えると言われたり、某建機会社の部長に35、6だと勘違いされたり)だったところに、外見が追い付いてきたというか。まじでか。
まったく、いい大学に職場をもらい、いい学生にも恵まれているのにどうしてなのでしょう。……やっぱり、ロボット作ってないからかなあ。
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無題
2017/08/28(Mon)20:20
No.1|by 名無し|
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