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蛙の末裔の妄創手帖

ポリシーは「ものに優しく」。
人畜無害で善良な変質者を目指します。
って、なにそれ?

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2025/02/02(Sun)23:57

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[cm] Journey

2008/12/12(Fri)23:39

 泊り明けの蛙の末裔です。

 人間の語彙が見聞きした言葉によって構成されるように、機械の設計は見たり触ったりしたことのある製品・作品に多大な影響をうけているはずです。それはつまり、今までにどれだけ良質な設計を、どれだけ数多く感じてきたかで、今できる設計の質が変わるということ。刷り込まれた技術が良質であればあるほど、その人の設計の水準は高くなっているでしょう。

 何のことかというと、私達の世代はミニ四駆に感謝すべきだ、ということです。
 当時は何とも思わなかったスナップキット形態の組み立て方法、わずか数センチ角のスペースに実装されたギヤトレイン、一度ONになったら多少の衝撃ではOFFにならない信頼性の高いスイッチ・・・。4輪駆動実現のめんどくささなんて微塵も感じられません。
 そんなミニ四駆の設計が、私達の世代に与えた影響は半端でなく大きいと思うのです。手のひらサイズの動くものを設計しようとして、ミニ四駆を思い出すことは決して多くないかもしれませんが、少なくとも、あの実装密度にはできる、あの信頼性にはできる、という先達にはなっているでしょう。この”実際にできることを知っている”水準が高いかどうかが設計者の技量のかなりの部分を占めているように思うのです。

 その点で、ミニ四駆を夢中で遊べた私たちは幸せ。

 もちろん、ことはミニ四駆に限りません。機械設計だけに限ったものでもありません。ファミコンで素晴らしいゲームが実現できると知っている人だからプレイステーションの大作を作り上げられるのでしょうし、今素敵な絵を描く人ならきっと、その人なりに素敵だと思える絵に出合ったことがあるのでしょう。諺の力を借りれば、より青に近い藍色から出た青のほうが、ただの藍色から出た青よりも青いに違いない、ということになりますか。



 我ながら随分御託を並べましたね。いや、最近どうにも小さい機構のイメージができなくなっていたもので、ついミニ四駆を思い出そうとしてしまったのです。”できる”イメージの有無というのは設計に響くもので、たとえば軸の直径が6mmならばその先の締結方法やギヤ・クランクなども強度や作り方がすぐ思い浮かぶのですが、これが軸径3mm、2mmとなってくると一気にネタが減ってしまうといった事態に。ひとえに精進が足らないからなわけですが、これからは小さいメカニズムも”もう一度”刷り込まなければいけないなあとつくづく思います。

 さて、研究室では最近ミニ四駆がブームの兆しを見せています。その昔遊んだ経験のある人たちが、今一度童心をエミュレートして、夢を見直しているといった感じでしょうか。幸運にして彼らは、昔の経験と、その経験に支えられながら培ってきたインテリジェンスの両方を持っています。なにやら懐古的で後ろ向きにもとれますが、3歩後ろに戻ることで5歩先を見つめなおせるのなら1000円弱の買い物も安いものでしょう。何より、先輩が、同期が、かつての経験と今の意見を織り交ぜて話し合っている時の目の輝きと熱い口調が、たまりません。

 私もなんか作ろうかな、リハビリも兼ねて。

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No.53|バイオ研もろもろComment(0)Trackback()

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