研究室のM2さんと話していて、俄にヒトデ熱を発症しました。実は以前にも「ヒトデ、いいっ!」という衝動に駆られた事がありまして、それがぶり返してきたわけですね。
恥ずかしながら、ヒトデという名前が”人手”の読みから生じたわけではない(らしい)ことを先ほど初めて知りました。
この文献によると、本草綱目の一部に引用されている、臨海水土記という書物における”陽遂足”が明らかにヒトデであるそうです。成程、百足をムカデと読みますもんね。実際に、陽遂足で検索すると、中国語の記事が沢山ヒットしました。
先の文献を書かれた先生は、別の箇所で
一方、「ヒトデ」は、5本の腕を指と見て「人手」。後発のようだが、わかりやすく覚えやすいので広まったのだろう。
と書かれていますが、これは最初に陽遂足につけた読みが(たまたま?)人手と同じであったことに端を発するものだと考えられます。
更に、上の文献によれば、ヒトデの古名には海燕、タコノマクラ(今では別の棘皮動物の名前になっている)、海紅葉、紅葉貝(今ではヒトデの一部の名前になっている)などが使われていたそうです。面白い。
また、ここで興味深かったことの一つに、これら漢字文化圏の古い名前の中に、星とその光彩の形をイメージしたものが極端に少ないというのがあります。英語ならstarfishかsea star。ドイツ語でもフランス語でもスペイン語でもイタリア語でもラテン語でも(語源が一緒なんじゃないかというツッコミはありますが)皆、星を意味しているにもかかわらず、この東アジア近辺では太陽か、紅葉か、手かという状況なんですね。ちなみに海盤車もヒトデですが、これも星とは違う連想の産物です。
んー、これは漢字文化圏に五芒星を重視する文化が無かったということなのでしょうか。一応、wikipediaによると安倍清明の印は五芒星だそうなので五芒星の存在を知らなかったわけではないでしょうけれど。
そして今、ホウキボシなんて名前のヒトデがいることを思うと、「ヒトデ型」の解釈は場所と時間で異なっていくのねぇと感じる次第です。
ちなみにニチリンヒトデみたいな形のヒトデは英語ではsunflowerとかsunstarと呼ばれるそうなので、ここには共通の認識があるみたいですね。
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無題
2011/07/01(Fri)13:42
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