研究室では独りの時ほどうるさい蛙の末裔です。アプリケーションソフトに文句言ったり頼み込んでみたりしたところで、相手は音声認識インターフェースじゃないのだよ。
テクスチャー測定器の技術史。
はじめは1955年、Proctorらが歯の形の圧子を用いて圧縮し、その圧子を動かす腕に貼ったひずみゲージの信号をオシロで読むというものでした。
それからSzczesniak(読めないっす)らが改良を重ねた結果、圧子の動作は円運動を直線に変換した正弦運動に、記録はリアルタイムで紙に描く電気式記録計になりました。
推測ですが、モータの円運動を一方向にだけ取り出した正弦運動は、特段の制御をすることなく得られる安定した直線運動だったために採用されたのでしょう。
この当時の機器の泣き所は、圧子がどこにいるかわからない=変位がわからないことだったのだそうです(※1)。しかも等速直線運動ではないために、荷重-ひずみ線図を描くためには、いちいちデータを変形させることが必要でした。
で、今。お世話になっている卓上万能試験機の腕は所望の速度で等速運動し、圧子がどこにいるかも一目瞭然です。荷重-ひずみ線図はデータをプロットすれば出来ます。
この違いが制御技術の進歩なんですよ、多分。これだけ制御の恩恵を享受しているのですから、多少なりともその世界が理解できないといけないわけで・・・。この点、私は情けないかぎり。
ちょっと昔の文献を漁っていたら出てきた、制御屋さんの偉大さの話。敬意を払わずにはいられません。
※1岡部巍,食品のテクスチャー測定における咀しゃく曲線の解析
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不覚にも
2009/03/24(Tue)21:10
>デシケータで湿気た
蛙の末裔さまの記事のタイトルはどんなときでもハイセンス。
No.1|by リック|
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