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2025/03/17(Mon)16:56
ポリシーは「ものに優しく」。 人畜無害で善良な変質者を目指します。 って、なにそれ?
2025/03/17(Mon)16:56
2010/02/27(Sat)21:55
とても今更ですが,バンクーバーオリンピックですね.自室にはテレビがないので中継は研究室で見ています.どこの国にもメジャー競技・マイナー競技があるわけですが,その中のいわゆるマイナー競技が周知される場として,オリンピックというパッケージはとても役立っているのだろうと感じます.
失礼を承知で挙げさせていただけば,例えば男子カーリング,リュージュ,ボブスレーなどなど.(個人的にはスケルトンは越選手のおかげで割と知名度があるのではないかと思っていたり.)男子カーリングは日本が出場していないのでニュースでもほとんど流れませんが,ソリ競技は日本代表が出ていることもあって情報がいくらかあるわけです.
私はChickenHeartなのでソリ競技は畏怖の対象でしかありませんが,あれらはまさに流体力学,航空力学,トライボロジーの使いどころでしょう.ソリ大国ドイツはBMWが風洞実験したとか,イタリアはフェラーリ製のソリだとか,ニュース程度の深さでもそういう話が出ています.かたや日本のソリはというと,ボブスレー工学研究会という研究者の集まりが協力して,速いソリをなんとか安く実現しようと頑張ったとのこと.(この辺はニュース記事の他,ボブスレー日本代表の石井コーチが書いていらっしゃるブログを参考にしています.)
ニュース記事いわく,ドイツのソリは一台1250万円.対して,日本は一台150万円という情報がありました(これは改造費かな?).ワークスマシン対アマチュアの手弁当という点ではなかなか好対照であるようにみえますが,思うにBMWも相当好意で(=宣伝も兼ねて)協力しているフシがあるのではないでしょうか.私の素人考えが多分に入っていますが,代表チームのソリなんていわゆる試作車みたいなもので,量産車の何倍もの費用がかかるはず.普通のソリが1台300万円くらい,すごく良いソリが600万円くらいらしいですから,2倍とはいえトントンにはならない気がします.得られる空力ノウハウも,モータースポーツに生かせるかというと微妙ですし.(どちらかというと車系の技術の輸入でソリができている気がする.)
ですから,費用の違いは志の違いではなく開発に使った設備の違いだろうと思います.あぁ,結論になりませんね.ただ,こういうアマチュア競技にプロフェッショナルが協力するか,プロフェッサーが協力するだけか,というのはソリに限らないのではないかとも.例えばロボットサッカーのロボカップでもワークスチームでフィリップスがいるのに対して日本では慶応をはじめ強いのは大学.ヨーロッパと比較できませんが,鳥人間コンテストでも強いのは主に大学です.あとは・・・DARPAグランドチャレンジなんかだとプロ・アマ混走でしたね.
だらだら書いて難ですが,どうもプロとアマが同じ土俵で競技するという考え方に日本企業は及び腰な気がします.ある意味ではプロ意識が強い,とも言えますが,それ以上に学生は学生,企業は企業として競い合うステージが違う(かつ大学ステージの上に企業ステージがある)という意識を学生・企業双方が持ちすぎなのかもしれません.学生の身じゃどうせ企業には勝てないだろう,とか,企業が学生に負けたら恥ずかしいだろう,とか.
……自分の事を棚に上げて言いすぎかも.
それと,話が飛びますがボブスレー工学研究会と実際に競技するコーチ・選手陣でどういうコミュニケーションがとられているか,どう机上の理論を反映させているかなんてのも興味の対象だったりします.理屈より目の前の現場だ!的な対応とどうバランスをとっているんでしょう.スポーツ工学で大変なのはそのあたりだろうというイメージがあるもので.
あ,一応,つくばチャレンジやエコノムーブなんかでは企業と学生がガチンコ勝負していたりするらしい,ということは付記しておきます.
No.234|バイオ研もろもろ|Comment(0)|Trackback()
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